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朝晩は風が涼しく、気持ち良い日が続きます。

できるだけ梅雨になってほしくない。

電車通勤をしているのですが、目黒駅からクリニックまで歩くようにしています。

目黒川がなかなか良い。

川沿いの木々は桜の木です。ここは春になると、桜の名スポットになります。

この川沿いを数分の間、歩くのが楽しい。

目黒川は水がそこまできれいではなく、多少の臭いもします。川というより水路に見えますが、昔は子どもたちが水遊びをしてホタルが飛び交う清流だったそうです。江戸時代からあるんですね。

この川が都会の中を縦断するように流れているので、ある一定の情緒が感じられるのだと思います。

都会の中においては、ささやかな自然的な要素が大きな癒やしになっている気がします。それなりの空間の広さ、空の広さを感じられる場所ですし。

 

自然多き田舎の方は、なにかに憧れて街に出てきますし、

都会暮らしに疲れて一息つきたい人は、田舎暮らしに移行することもあります。

田舎も都会もそれぞれの良さがあります。

都会の中でも自然的な要素を定期的に感じることができれば、バランスのいい生活環境になるのだと思います。

 

そういえば弟と面白い話をしました。

彼は貿易の仕事をしていまして、兵庫県に住んでいます。

兵庫県は場所によってはとても自然豊かで、彼の居住地域は、いわゆる「田舎」だそうです。

彼は仕事で東京に来るたびに、様々な刺激を受けるそうです。

都会には変化があると。

街のつくり、人の流れ、流行、デザインを見ていると、成長意欲が掻き立てられるそうです。

なるほどなと思いました。捉え方が逆でしたね。

東京で１０年も住んでいると考え方が変わります。

都会に住んでいると、自然的要素の価値が高まるわけです。

生物としての人間が、五感の感度を含めてデフォルトの状態に戻るためには、ノイズを含んだ雑多な情報をデトックスする必要があり、自然的要素がそれを助けてくれます。

そういった意味で、自然的要素の重要性を訴えてきたわけですが、弟にとっては視点がやや異なったようです。

自然が多く、人の交差がすくない地方（特にコロナ状況では人流が激減しましたね。）では、変化を感じる機会が少なく、都会に来るとそこらじゅうで変化のエネルギーを感じるそうです。

 

人が集まり、産業が興る場所には文明が生まれます。

文明は変化を生み、その変化の方向よっては成長と発展を生み出します。

成長したいというのは人間が持つ根源的欲求の一つだと思います。

都会では成長意欲の高い人達が集まって、集合的な成長欲のかたまりを形成しています。

たしかに、今回の内装のデザインも、先鋭的な要素を多く含んだ仕上がりになっています。

新しくて、映えるようなデザインの力をお借りしています。

それと同時に自然的で普遍的な要素も可能な限り詰め込んでおります。

 

自然と都会を二元論的に切り離して喧嘩させるではなく、

あくまでも良いとこどりをしたハイブリットを模索していくほうが良いですね。

 

LOTUS  矢野