LOTUS DENTAL CLINICは本日で開院1周年を迎えました。
2022年5月30日にオープンしてから1年間、いろんなことがありました。
開業してから1年間、大きなトラブルや事故なく終えることができたことが、なにより良かったことです。
不動前に開院し、四季を体験し、地域の患者さんと交流できて楽しい日々でした。
不動前は素敵な場所です。
今まで御茶ノ水、銀座、渋谷、池袋で勤務してきましたが、不動前には東京の中心街にはない魅力がいっぱいあります。
私もスタッフもこの街が大好きです。
カフェが少ないですが。
1年目の現在地
①クリニックの文化
スタッフが作り出す文化や空気感がとても大切だと思っています。
「礼儀を持って、また専門技能を持って医療に従事する」
この価値観をスタッフと共有する時間をできるだけ作っています。
だいたいビジョンやミッション、文化というものはふわっとしがちです。
ふわっとしすぎて、ビジョンやミッションのフレーズが一人歩きしたり、形骸化しやすい。
抽象的な価値観をわかりやすく具体的に伝えることには苦慮しました。
そして少しずつですが浸透していっているのを感じています。
言葉を使わずとも、時間が解決したり、行動で示したりいろんな伝え方があるのだということを感じました。
新人が入ってきても、文化的な教育をできるところまではクリニック全体で成長できたと思います。
新しい職場環境に行くということは、前職の文化を幾分か持ち込むことになります。
よくも悪くも色がついていますので、良い色は育てて、悪い色はリセットできるよう心がけてきました。
リセットするというとおこがましく聞こえますが、人はみな表面に垢を重ねて生きていますので、それによってその人の良い側面(才能であったり感性であったり)がうまく出せないことがあります。
従業員の才能や感性に気づける人になりたいと思います。
自己内省的な表現になりますが、可能な限り従業員の才能や感性が発揮できるような環境を整備したいと常々感じています。
では良い色と悪い色というのはどのような尺度でジャッジすることができるのか。
意外と単純な話だと思っています。
目の前の患者さん、目の前のスタッフに「礼」と「専門」を持って尽くせるかということです。
これが当院の基本的な判断基準になります。
この二つの価値観に時間的尺度「成長」を加えた3つです。
当院ではこれしか評価基準がありません。
この尺度にはしばしば助けられました。
意思決定に悩んだ時はいつもこの価値観に帰ります。
そして1年経った今、少しずつ確信に変わっています。
②クリニックの体制
スタッフ
開業時は私を含め4人でのスタートでした。
ご結婚と里帰りで2人辞めました。
一時は総員3人になり、今年の年初あたりは大変な日々を過ごしましたが笑、今はなんとか7人体制になりました。
歯科医師2名
衛生士2名
助手、受付3名です。
もう少し増える予定です。
2023年の年末には最大許容人数に達すると思います。
狭いクリニックですので、多くて9名くらいのスタッフ体制だと思います。
設備
ユニットを増設して合計4台になりました。
アポイントはかなりゆったりとっていますので、1日最大で30名少しが限界のキャパシティです。
夏頃に歯科用顕微鏡を1台増設予定です。
また撮影機械の購入、歯科用ルーペの追加購入、ホワイトニング照射機の購入を検討しています。
設備に関してもこれ以上の大幅なアップデートはあまりないと思います。
利益を全て設備投資に回してきたので、1年目にしてほとんど揃いました。
最先端の歯科医療が受けれる環境ですので、安心してご来院ください。
③売り上げ
1年目の目標を達成しました。
当院は開業前にテナント天井からの漏水が起こり、内装工事が大幅に遅れました。
そのため開業時期を一ヶ月半ずらしての開業となりました。
そのため、さまざまな申請がずれこみ、非常に厳しい形でのスタートになりました。
そんな中でも諦めずに毎日のように意識していたことが売り上げ目標です。
売り上げを達成することに対して強いこだわりがありましたが、決してお金のためではありません。
4−5年前に渋谷のインプラント専門クリニックに分院長として立ち上げから携わらせていただいた経験があります。
立ち上げから携わらせていただいて多くのことを学ばせていただきました。
渋谷の超一等地です。ビルの2階と3階の2フロアです。
理事長は成功するための秘訣をたくさんご存知でした。
マーケティングからアポイント管理から採用、業者とのコミュニケーションにいたるまで。
開業まで非常にスムーズでした。経験の厚みと手際の良さにひどく関心しました。
材料管理も採用もさせていただきました。オペもたくさんさせていただきました。
その頃の理事長は売り上げに強いこだわりを持ってらっしゃいました。
私は力不足で、期待に応えられなかったかもしれませんが、理事長も渋谷院によく駆けつけてくださり、ほとんど理事長の力で一年目の売り上げ目標を達成しました。
大通りをひとつ入った奥まったビルの3階ですので、集患が簡単ではありません。
最初の3ヶ月は非常に苦労しましたが、
マーケティング費用を山ほどかけて、ホワイトニングキャンペーンを張り、池袋院から患者さんに来てもらい。。
そうこうしているうちに患者さんは増え、インプラント手術のケースも増え、売り上げは伸びて目標は達成されました。
全顎的なインプラント治療も少なくありませんでした。
その時に理事長から感じたことは、「執念」と「柔軟性」です。
印象に残っている言葉は「成功するために100通りの施策があれば全てを試す」という言葉です。
引き出しが無限にあるように思えました。
その頃に体験した一種の成功体験と一種の無力感みたいなものがあったので、
どうしても同水準の目標は達成したかった。
それが恩返しにもなるとも感じていました。
また、その後に勤務した清水歯科クリニック(歯周病専門クリニック)でも多くのことを学ばせていただきました。
恩師である清水先生には診療哲学から鍛え直されました。ゼロからです。
清水先生は私の診療概念を完全に変えてくださいました。
「正しいことを正しくする。」それが遠回りであっても。
医学的に正しいと考えられることを地道にコツコツ、近道をせずに、愚直に行う。
資料どりをする。メンテナンスは1時間しっかり行う。
教育から逃げない。パフォーマンスをしない。
お金にならないことでもする。そこを信じる。
清水先生は愚直な道を突き詰めた先の成功を見せてくだいさいました。
私はとても恩師には恵まれていたと思います。
開業する前に歯科医師として必要なことをしっかり教えていただきました。
そしていまのスタッフにも同じことを同じように伝えています。
そのような背景もあって、開業時に定めた水準をなんとしても達成したかったのですが、
これからずっとこの地域でやっていきますので、決して無理はしないというのは決めていました。
マーケティングにはお金をかけない。
地域密着型でいく。
売り上げを追求しない。
しっかりと丁寧に説明し、治療する。
休む時はしっかり休む。
これら原則は守ることにしました。
今日でちょうど1年が経ちましたが、
スタッフと環境に大変恵まれ、設定していた目標を達成することができました。
いろんな開業のやり方、診療スタイルがあると思いますが、LOTUSが信じるアプローチで間違っていないということが証明された気がして、ほっとしています。結果にこだわった理由はそこでした。近道せずに達成できたのが自信になりました。
しかし広い視野で見るとまだまだ始まったばかりで、改善点が存分にあります。
本当に第一歩というところです。
一年目の現在地としては理想の3−4割くらいです。
いまは教育が楽しくて仕方がありません。スタッフが成長する姿を見るのは最高です。
今後も全力で教育と育成に投じます。
1年目は環境整備がテーマでした。今年はさらに環境整備を進めます。
2年目は教育と育成をテーマに走り抜きたいと思います。
今後もLOTUSをよろしくお願いいたします。
LOTUS 矢野