一ヶ月前の話になりますが、ボストンに一週間ほど研修で行って来ました。
東京医科歯科大学の歯周病学分野でお世話になった芝先生を訪ねる旅です。
芝先生は、ハーバード大学の客員助教として研究活動をされています。
来年の春に帰国される前に、一度訪ねようということで、懇意にさせていただいている先生方と渡米しました。
僕が兄と慕って尊敬している川名部先生(大田区開業)
僕の後輩ですが、公私共にお世話になっている新開先生(渋谷区開業)
の3兄弟での旅です。
コロナの影響もあり、海外での学会や研修は久しく行けていなかったので久々の海外研修にワクワク。
一週間ほど診療はお休みさせていただいて、勤務医の大場先生に託しました。
一週間という短い時間でしたが、たっぷりとボストンを堪能し、充実したハーバード研修となりました。
ボストンを楽しもう
ボストンは人口60−70万人の港町です。
アメリカで最も歴史の古い街の一つであり、世界的な超一流大学や研究所が集まる国際都市です。
ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、ボストン大学など、世界的にトップレベルの大学が集まっています。
アメリカ独立戦争の中心地になっている街であり、歴史的な建造物もたくさんあります。
街中の建物の造りは古く、赤レンガがつらなる街並みは非常に趣がありました。
また、海産物も有名で、オイスターやロブスターで有名です。
アメリカの三代美術館の一つであるボストン美術館もあり、観光も楽しむことができます。
特に今回の滞在でハマったのはチャールズ川沿いの朝ランニング。大体40−60分くらいを走りましたが、朝明の川を眺めながらのランニングは最高でした。すぐに気づいたのが走っている人の多さ、男性は上半身裸の方がちらほら。そして野生動物の多さです。自然が街の至る所にあって、癒やされました。普段運動不足ですが、旅先では急に体が動きます。時差ボケ解消にもランニングは良いです。
空き時間には街なかの散策もしましたが、高い建物が少なく空が広いため開放感がありました。
歴史の厚みと、学府の集合、レンガの街並みから、重厚さ堅牢さを感じましたが、決して重々しい雰囲気はなく、若者の活気はあふれ、自然の開放感と自由さも感じ、非常に住みやすい街という印象を受けました。
ロブスター、オイスター、クラムチャウダーなどのボストン名物を堪能し、芝先生ご夫妻とは最高に楽しい時間を過ごさせていただきました。
ボストン美術館も素晴らしくて、数々の名作に見入ってしまいました。特に、モネの部屋は圧巻で、モネの睡蓮から積み藁、ルーアン大聖堂などの有名画が一覧できてこの上なく幸せな時間になりました。タイムリー葛飾北斎展もやっており、世界中で有名な津波と富士の「富嶽三十六景」の実物も展示してありました。
観光の時間は多くはありませんでしたが、ボストンの魅力をギュッと詰め込んだ観光となりました。
ハーバード研修
さてメインのハーバード研修ですが、もともとは芝先生を訪ねる企画でしたが、
たまたまハーバード大学のCEコースがあったため、そちらにも参加することができました。
CEコースは二日間でハーバード大学の各分野のエッセンスをギュッと詰め込んだコースになっていて、コロナで中断していましたが、今回復活したそうです(今年で最後になるそうですが。。)
芝先生のご厚意もあり、CEコースの3日前からハーバード大学の見学、外来見学、授業への参加、研究所の見学、臨床研究の見学などをさせていただきました。
ハーバード大学は本学は、橋を渡った先のケンブリッジエリアにあり、
歯学部があるメディカルスクールは川の南のバックベイエリアにあります。
メディカルスクールは1783年に創立されており、250年の歴史があります。
立派な建物が多くならび、公衆衛生で有名な Harvard T.H. Chan Schoolもありました。
教育、研究、臨床のそれぞれを見学させていただき、勉強になりました。
外来の見学の様子。昔の治療器具や写真が展示されている。
デジタルラボの様子。近年の歯科技工はデジタル化されている。
また、芝先生のご紹介で、世界的に活躍されている著名な先生方との交流の場をたくさん持たせていただきまして、感謝感激。
僕が医局員の頃に書籍の翻訳を担当したレジェンドの先生とも直接お会いすることできました。感無量。
CEコース
週末のCEコースでは、各分野のエッセンスを詰め込んだ講義を二日にかけて聴講することができました。
どの講義も非常に学ぶことが多く有意義な時間となりましたが、特に感動したのが世界的に著名なロレンツォ・タベリ先生の講演でした。
タベリ先生は世界中の学会でスピーカーとして講演されていて、現在はハーバード大学の助教としてご活躍され、プログラムディレクターも務められています。
日本でも広く知られている先生の一人で、私も彼が著した論文を読んだり講演を聞いたりしてきました。
芝先生がタベリ先生と交友が深く、今回は芝先生の直接的なご紹介で縁をつなげていただきました。
プレゼンテーションは教育的でインスピレーションにあふれる素晴らしい講演でした。
理論と研究と臨床が高度に繋がっているプレゼンで、知見が広がりました。
ぜひ日本でも講演をしてもらえないかという話をしたところ、快諾していただけました。
来年の開催予定ですので、いい企画になるようにしっかりと準備したいと思います。
CEコースでの発表
今回はCEコースの最後に発表の機会をいただきまして、全体の場でプレゼンをさせていただきました。
全英語でのプレゼンでしたが、原稿の力を借りて。
ハーバード大学の教員の先生方の前での発表は、とてもいい体験になりました。
共に発表を行った先生方と↓
ボストン研修を終えて
かなり良かったです。
視野が広がりました。
世界でご活躍されている芝先生、かっこよすぎました。
世界トップレベルの先生方との出会い、痺れました。
日本の歯科の現在地がなんとなくわかりました。海外に目を向けることの重要性、身にしみて感じました。
開業して1年が経ち、東京で開業している開業医としての視野。
地域に根ざす共に視野が狭くなってしまうことがよくあると思います。
今後は、臨床のみならず、研究や教育にも関心を持ち、また日本国内だけではなく、アジア、世界に視野を広げて仕事がしたいと改めて感じました。
共に研修に付き合ってくださった川名部先生、新開先生からもたくさん刺激を受けました。
楽しく時間を過ごし、意気投合もしまして、今後ともに刺激的な活動を継続していきたいと思います。
最後の夜は、芝先生ご夫妻と僕ら3人で夜がふけるまで語らいました。
励みになりましたので、このモチベーションで走り抜きます。
LOTUS 矢野